マゾヒズム・被虐性癖

羞恥や苦痛で性的快楽を得る性癖

マゾヒストの心理

 深夜番組でもないTVのバラエティー番組の中でも、女性タレントが「私は、ドMで尽くすタイプだから」などと冗談半分に答える場面を見かけたり、タレントの杉本彩さんらが「花と蛇」など本格的なSM映画に出演したり、女性向けのレディコミでSM的描画の多いコミックスの人気があったりSMやマゾという言葉もすっかり市民権を得てきました。

 マゾ(マゾヒズム正式には、masochism)もサディズムと同じようにオーストリアの文士ザッヘル・マゾッホが愛する女性たちに奴隷のように仕え、肉体的にも精神的にも苦痛を受け傷つけられる事をかえって悦びとした事実から同じくクラフト・エビングが命名したものです。

マゾのきっかけや心因

 全ての方に当てはまるものではありませんが、性的に受け身である女性は男性よりマゾヒズムや被虐願望に陥りやすい資質が少なからずあると私は考えます。

 私自身が過去に調教したM女や、M女診察室からご相談を頂いたM性の女性の多くは、緊縛写真やコミックス、小説、動画、SMチャットなど何らかの外的なSM的表現の刺激に接した事をきっかけに、性的な衝動や興奮を覚え脳裏に焼き付いたような形でマゾヒズムを自覚し、その願望が頭の中で発酵しエスカレートしながらより強い刺激や興奮を求め「M」が覚醒していくケースが多いです。

 中には、幼少の頃に父親が隠していたSM雑誌やDVDを見て、願望が焼き付いてしまい、Mとして調教される事を夢見ながら育ってきたというSMの扉を開く事が不可避な真性マゾも少なくありません。

 マゾヒズムは、SM写真やコミックスなど外的刺激からだけではなく、心の影響からMを発症するケースも少なくありません。
 相談者のある女性は、大きく目立つバストに性的好奇心に満ちた視線を思春期の頃から浴びる中で、自身のバストに対して強い羞恥心とコンプレックスを覚えるようになっていき、いつもバストが目立たないような服装を選ぶようになっていました。 そうして隠していたつもりだったバストに対して好意を持っていた男性に「胸が大きいね」と言われた事で、強い羞恥と彼への性的な願望がバストに結びつき、忌まわしい巨乳を彼に卑猥に辱められたい、甚振られたいという願望を抱くようになり自ら妄想しながら洗濯ばさみや熱蝋でバストを責めながらの自慰で興奮を得るようになったといいます。

 当サイトのM女からの相談で最も多い職種は看護師の方ですが、仕事として患者の排泄や浣腸を行う事は避けられませんが、患者の浣腸を担当をする中で、元々のM的資質があったのか、いつしか自分も浣腸をしてみたいと思うようになり、ついに自宅で自らに浣腸を行い、その羞恥や排泄の感覚が快楽として焼き付き、浣腸を使ってのアナル自慰が病みつきなってしまった方、中には過去の性的虐待やいじめ、暴力やレイプ体験などにより心的トラウマに身体的な快楽が結びついてしまい、強いマゾヒズムや被虐願望、性的自己破壊願望や自虐自傷などへ発展してまったケースもあります。

 トラウマやコンプレックスは、強く隠したい、誰にも知られたくないという思いから強い羞恥心へと転化され、その羞恥心とマゾヒズムが結びつくと必ずと言って良いほど、その人のM性の核心になりそこを言葉責めや調教で責められると大きな快楽に発展して行きます。 また、強いマゾヒズムに発展するケースでは、長女、家庭の躾が厳しい優等生、管理職、高いレベルを要求される接客業、教育関係者、医療関係者、研究職、モデルなどいわゆる品行方正で完璧な女性を演じなければならない環境にいる方が多く、全てに完璧を求めるほど演じている自分とのもう一人の淫らなMの自分とのギャップに葛藤をし、M性のベクトルが強まる傾向があり強い被虐願望やマゾヒズムに苛まれていくケースが多いように思います。

被虐願望が求める先

 サドと同様マゾも死の本能が根としてあると思われ、その破壊や淫虐の対象がサドの場合とは逆に自己に向いたものと考えられます。 女性が性行為の絶頂時に「死ぬ」「逝く」「Kill Me!」「I'm dying!」などと叫ぶのを見ても万国共通です。

 軽く縛られて身動きできない中で優しく虐められたいなどソフトSMの範囲であればそこまで心配する事はありませんが、中には拷問を受けながら凌辱し尽くされ殺されたいという猟奇的なレベルの被虐願望や妄想が頭から離れないという方もいます。

 キリストの書籍を買いあさり、十字架に架けられたキリストの挿絵に自分をダブらせ夜な夜なオナニーを行わずにはいられないというM女。 ビニール袋をかぶり針で乳首やラビアを突き刺し、ベットにロープを結び身体に回して自縛しオナニーをするというほとんど自虐的な行為じゃないと絶頂に至らない女性。 ご主人様に命令されて肛門に両腕を挿入出来るようにする事だけが自分の存在価値であると思いこんでいる女性など、私のもとにご相談を頂くM女も枚挙にいとまがありません。

 マゾヒズムが求める究極は、猟奇殺人の被害者や囚われた拷問の対象者で羞恥や苦痛による自らの生命の限界に至る直前の極めて強い絶頂なのだと思います。

男女のマゾヒズムの違い

 強弱で言えば社会的にも自立と牽引役を求められやすい男性の方が心的ストレスの強さからかマゾ性の強さや求めるものの極端さでは重いケースが目立ちますが、性的対象として受身となりやすい女性の方が、肉体的コンプレックスや心的トラウマやその他の理由による自己嫌悪、ホルモンバランスの日々の変化や左右の脳の連携性が強く構造的にも精神的に不安定になりやすい面があり、特に性的興味が発達する思春期に軽いアブノーマルな性への興味が情緒不安定と結びついてSM願望やマゾヒズムに転化され、M予備軍の数では女性の方が圧倒的に多いように思います。

マゾ資質の確認との共存

 マゾの性衝動は、学業や研究、仕事、趣味などで発散する事が難しいため溜め込んだ欲求が、何かのきっかけで暴走します。 特に女性は、両親特に母親と関係性や兄弟との環境、恋愛の失敗や夫婦関係のセックスレスや不和などによって精神的に不安定になり一時的な衝動から出会いサイトなどで、雌豚呼ばわりをするような、いわゆるオラオラS様などのサディストの標的となり関係を持って傷つけられたり、トラブルなどに巻き込まれたりするケースも耳にします。

 最近、レディースコミックや官能小説、SM小説、写真集などで緊縛やSM的なシーンがよく取り上げられるようになり、女性の「縛られてみたい」「SMに興味ある」という願望を気軽に発言してしまう女性をブログやSNSでも見かけるようになりました。
 そういった発言を目にしたM女を求めるS男性からのダイレクトメッセージがしつこく来るようになったり、それ以前に投稿した情報からバイト先を特定されストーカー的行動でアルバイトを辞めざるをえなくなったりしたM女のケースもあるのです。 強いマゾ資質を持つ女性にとってSMの世界は魅力的な世界ではありますが、リスクや危険が隣り合わせの世界だという事を十分に理解しておく事が大切です。

 私自身はサディストではありますが、女性の場合は可能であればマゾ性は心の奥に秘め、女性としての普通の幸せを追求される事が基本的には最善と考えています。

しかし、幼少期からの強いマゾ性を自覚し心の奥に圧し込んで生きて来た方、良い子を演じてきたなどアダルトチルドレン的なメンタリティーを抱えてきた方、強いコンプレックスをやトラウマなどの心の傷を持っている方、うつ病に代表される心の病を持つ方など内面に問題を抱えた方の相談の比率は、健全に育った女性の方より圧倒的に多いと感じています。
 その内面に秘めたコンプレックスや心の問題が複雑に絡み、自己嫌悪などとマゾヒズムが結びつき危険な方向に発展する場合もあり、単なる行為としてのSMだけではなく心因やメンタル面の十分なサポートや、場合によっては精神臨床的な側面からの治療との平行も必要なケースもあります。

 M資質の一つの判断基準として、第二次性徴期以前から「M」な自分を自覚していたか否かによって、SMの世界を必要とする方なのかをある程度判断できるかと考えています。 第二次性徴期ですから小学校高学年に至る10歳になる以前から、既にSM的な事に心を囚われていたり、SMや監禁、凌辱など被虐的想像や妄想を覚えて性的興奮を感じていたような経緯のある方は、真性的なマゾの可能性が高くSMの世界が不可避なケースが顕著になります。

 また、過去に調教されていた経緯のあるM女性で、別れてからも身体が疼いて忘れられないなどの相談を受けるケースは少なくありません。 例えは悪いですが、麻薬中毒など薬物依存に陥った方の薬物依存の再燃率は高いと言います。

 SMも同じでマゾとして心身に悦びと快楽を刻んでしまった場合は、結婚をしたからといって普通の夜の生活で満足をして、過去のM女だった自分を綺麗に忘れ去ることは容易な事ではありません。

 まして甘い新婚時代が終わりセックスレスなどに陥った場合は、疼く身体を持て余し過去の調教を思い出しては自分で慰めるしかない辛さは拷問に近いものになります。

 SMの世界の扉を開くという事は、その時の衝動だけではなく、十分な覚悟と人生に性的リスクとしてつきまとう可能性もある事を理解をしておいた方が良いでしょう。

 マゾヒズムや強い被虐願望に悩んでいる方、SMの世界の扉を開くことを真剣に考えているという方は、【M女診察室】からご相談ください。

アブノーマルセックスへの興味や、自身の変態的な性癖に真剣に悩んでいる女性は、変態相談室からご相談ください。